ログイン

顧客管理 どうして必要?どうやってすすめる?

 2019.5.22 お役立ち情報 ブログ


初めまして。
ITナレッジ・コンサルティングの乾竜夫と申します。

企業のコンサルティングをしていると、「よい製品・サービスを開発したが、なかなか売れないのでどうしたらいいですか?」という相談をよく受けます。

実際にその「よい製品・サービス」を見てみると、それは「売れるモノ」ではなく「作ったモノ」であることが多々あります。こういった機能や仕様が必要だと考えて「作ったモノ」ではありますが、お客様がお金を払っても手に入れたいと思う「売れるモノ」にブラッシュアップできていません。

「売れるモノ」にするためには、自社の製品・サービスを販売する顧客を知ること、すなわち顧客の情報を蓄積・管理・分析することが重要です。顧客ニーズの多様化が進む現在、顧客の情報を管理してニーズを把握し、顧客に最適な製品・サービスを提案することが、販売力強化につながります。

今回は、自社に最適な顧客管理の方法を選択するために、事前に知っておくべきことやすすめ方をご紹介します。

目次

  1. 顧客管理とその目的
  2. 顧客管理のターゲットは?
  3. 客単価を上げる手法であるクロスセルとアップセル
  4. 最初の顧客管理
  5. 業種や顧客属性によっては住所管理ソフトを使う
  6. きめ細かな顧客管理にはExcelを活用する
  7. さらに高度な顧客管理にはデータベースソフトを活用する
  8. 複数で利用するならクラウド型システムの導入を検討する
  9. SFA(営業支援システム)の導入を検討する

顧客管理とその目的

顧客管理とは、顧客属性(名前・住所・メールアドレスなど)や取引履歴などの顧客情報を一元管理し、それぞれの顧客に応じたきめ細かい対応を行うことで、長期的に良好な関係を築き、顧客満足度を向上させる取り組みと定義されます。

また、この顧客情報からターゲットを絞って営業活動をしたり、ニーズに合わせた情報を発信したりして、顧客が一定期間内に同一企業の製品・サービスを購入した金額の合計であるLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を目指すことが主な目的となります。

顧客管理のターゲットは?

お客様のニーズが多様化しているため、新製品・サービスを新規顧客に買ってもらうのは大変です。まずは既存顧客をターゲットにします。自社の製品・サービスを一度でも買ってもらったお客様なら、自社に対する心理的障壁は低く、新規顧客よりも少ないマーケティングコストで買ってもらえます。そのためにも既存顧客と良好な関係を維持し、長期にわたって「お得意様」になってもらうことが重要です。

現在のマーケティングでは、新規顧客に次々と売るのではなく、既存顧客を大切に扱い、密な関係を長く維持してLTVを最大化する考え方が主流になりつつあります。
売上は客数×客単価で計算されますので、この考え方で売上を増やすには、客単価を上げることを考えます。そのような背景のもと、既存顧客の客単価を高めて売り上げを伸ばすクロスセルやアップセルという手法が出てきました。

客単価を上げる手法であるクロスセルとアップセル

マクドナルドでハンバーガーを注文したときに、「ご一緒にポテトもいかがですか?」と店員さんが尋ねるのは典型的なクロスセルです。ただし、アルバイトの店員さんにはクロスセルという意識はなく、マニュアル通りにただ言っているだけですが。顧客情報を一元的にデータ管理できていれば、クロスセルはより容易に効率的に実施可能です。最近のECサイトは、過去の購入履歴や閲覧履歴に基づいておすすめ商品を表示します。また、購入後に「こちらの商品を購入した方は、併せてこちらの商品を購入しています」などと画面に表示します。こちらはプログラミングされた通りに表示しているだけですが、立派なクロスセルだといえます。

アップセルという手法もあります。1980年代にトヨタ自動車が高級車クラウンの広告に用いていた有名なキャッチコピーに「いつかはクラウン」というフレーズがあります。
このキャッチコピーは、当時のサラリーマンに対して昇進や昇給とともに上位モデルへの買い替えを促していくものでした。このように、上位の製品・サービスをすすめるのがアップセルです。取引データに基づいて頻繁にアップセルを実施しているのがクレジットカード会社です。クレジットカードにはランクがあり、取引実績のある顧客に対して少しずつランクの高いカードへの切り替えをすすめていきます。
年会費が万円単位となるゴールドやプラチナカードなどへのランクアップによって、客単価の向上を狙っています。

最初の顧客管理

開業したてのお店や会社の場合、最初のお客様は知り合いがほとんどです。どんな業種でも、開業前に見込み客となる知り合いを増やしておく必要があります。
日本酒好きの知人が日本酒専門店を開店したときのことです。開店の2年程前から日本酒を楽しむ会などを主催して仲間を集めていました。一昔前なら名刺やメールアドレスを集めておき、開店前にDMやメールで告知するのが一般的でした。ところがこの友人の場合、Facebookで知り合った人とせっせと繋がっていき、開店時には1,000名超の人と友達になっていました。開店の準備状況や開店日の告知などもFacebookにマメに投稿していたため、開店日にはたくさんの人の来店がありました。
これも顧客管理の一種だといえます。長期的に良好な関係を築き、顧客満足度を向上させる取り組みという面では、十分役割を果たしているからです。

Facebookの場合、日本酒好きという趣味・嗜好はシステム側で管理し、タイムラインへの表示制御などを実施してくれますので、データ管理面での手間を大幅に省けます。
最新の投稿を常に心がけるという手間はかかりますが、本業に専念したい創業したばかりの個人事業者では、SNSで繋がっている人々を見込み客として情報発信するだけでも十分効果的です。

業種や顧客属性によっては住所管理ソフトを使う

過去にご支援した企業に創業間もない眼鏡店がありました。今流行りのレンズとフレームがセットになった低価格均一店ではなく、昔ながらのレンズとフレームを別々にオーダーする少し高めの眼鏡店でした。このお店も、開店直後はFacebookを活用して友人・知人に多く来店いただいていました。しかし、販売しているものの性格上、同じお客様が頻繁に訪問することはありません。数ヶ月が経過すると友人・知人の集客は一段落して客足が遠のきました。
このように、取り扱うモノによっては、SNSだけでは不十分な場合もあります。また、その後訪れるお客様は、ほとんどが高齢者でした。近隣に高齢者の世帯が多いこともありましたが、昔ながらの眼鏡店で高めの価格帯ということで、若年層は敬遠したようです。
高齢者のSNSの利用率は上がっていますが、身内とLINEでやり取りするのがほとんどで、FacebookをはじめTwitterやInstagramを使う人は現状僅かです。この点でもSNSの活用は効果的ではありません。

このように、業種や顧客属性によっては、SNSを活用した顧客管理では対応しきれない場合があります。ただし、創業したばかりの個人事業レベルでは、特別なソフトを用意する必要はありません。事業用に購入したパソコンに既に入っている、筆まめや筆ぐるめなどの住所管理ソフトで十分です。顧客住所を常に最新にしておき、季節の便りやDM送付に活用します。

きめ細かな顧客管理にはExcelを活用する

これまで紹介した顧客管理は、きめ細かさの面で不十分でした。きめ細かさが必要な段階では、Excelを活用します。

お客様が順調に増え、お店や会社の経営が軌道に乗って売上が安定した段階で油断すると痛い目にあいます。
例えば、飲食店や小売店の場合、近隣に今まで存在しなかった競合店が出現すると、とたんに客足が鈍ることはよくある話しです。客足が遠のいてから対策を打っても手遅れの場合が多いので、そうなる前に次の段階、よりきめ細かな顧客管理に取り組みます。

例えば、誕生日を迎えるお客様だけ抽出し、来店時にプレゼントや割引をするメッセージを送るためには、SNSや住所録管理ソフトだけでは対応できません。Excelを活用した顧客管理に移行し、誕生日情報を管理する必要があります。誕生日を年・月・日3つの項目に分けて管理しておけば、フィルター機能で来月の誕生月をすぐ抽出できて誕生日用DMを容易に出すことができます。

ただし、Excelは結果を管理するツールとしては優れていますが、途中経過の把握やリアルタイムの進捗を比較・分析をするには限界があります。例えば、一度数値を更新してしまうと、前回と比べてどうなったのか履歴が分からなくなり、比較できなくなります。そこでこれら限界を超えるためには、データベースソフトへのレベルアップが必要になります。

さらに高度な顧客管理にはデータベースソフトを活用する

さらに高度な顧客管理を行うためには、AccessやFileMakerなどのデータベースソフトを活用します。
例えば、顧客属性情報(氏名・年齢・住所など)の静的データと製品・サービスの取引履歴情報(購入商品・金額・回数など)の動的データをひも付けて管理・活用することが容易にできます。顧客属性テーブルと取引履歴テーブルを作成し、2つのテーブルを顧客番号でひも付けます。これで顧客別に、これまでにどんな商品をどれだけ買ったのかという取引履歴を把握できます。

ただし、これらのソフトを活用するにはデータベースの知識が必須です。私がこれまでご支援した経営者の中には、これらのソフトを使いこなしている方もおられました。ただし、あくまで特別な事例で一般的ではありません。

データベースソフトを活用することで、自社にあった高度な顧客管理システムを構築できますが、自社に人材がいなければ外注や次に紹介するクラウドシステムの導入を検討します。

複数で利用するならクラウド型システムの導入を検討する

最初に開店した1号店が順調に成長して複数店舗を運営するようになった場合を考えてみます。事業規模が大きくなるに従い、複数端末で顧客管理を行うことになります。顧客データベースの整合性がとれるよう複数の担当者や拠点から、同時入力されても大丈夫なクラウド型の顧客管理システムを導入することが有効な解決手段となります。
機能的にはデータベースを活用した顧客管理システムなので、複数の担当者や拠点で利用しなくても、将来の展開や費用対効果を考慮し、Excel利用の次の段階として検討してみてもよいかもしれません。
クラウド型に対して、オンプレミス型というものがあります。オンプレミス型とは、システムなどで利用する物理的なサーバーを自社で購入・設置・管理する形式です。オンプレミス型はクラウド型に比べ、導入費用や期間が多く必要になりますが、その分カスタマイズ性が高いといった点が特長です。クラウド型が登場した当初はセキュリティ面で不安がありましたが、最近ではクラウドセキュリティの向上で、クラウド型が主流になりつつあります。

SFA(営業支援システム)の導入を検討する

会社の規模がさらに大きくなり、新たな事業部門を立ち上げた場合はどうでしょうか。オリジナル製品を製造販売している小売店が複数店舗展開するまで業績を拡大したところ、店の評判を聞いた他地域の会社から製品を卸してほしいと依頼を受けました。そこで、卸売り専門の製品を作って販売する部門を立ち上げ、全国への販売を目指して営業社員を配置しました。

この場合、顧客管理システムを一番活用するのは営業社員なので、基本となる顧客管理に営業支援ツールを加えたSFAの導入を検討します。
SFAの正式名称は、Sales Force Automationです。SFAには、予算と実績を比較して目標達成率や状況を見る予実管理機能、案件ごとの進捗状況を把握する案件管理機能、営業活動を記録・報告する機能などが備わっています。
会社規模が大きくなるにつれて営業は個人からチーム対応となっていきます。そこで、一連の営業プロセス全体を可視化し、チーム内で共有することで営業力を強化できるSFAが必要になってくるのです。


乾 竜夫(いぬい たつお)https://www.osaka-shindanshi.org/member/n404654/
国内ITベンダーに24年間勤務し、情報化戦略の立案や情報システムの企画・導入・運用等の支援を行う。
平成26年に独立。システムコンサルタント・システムエンジニアとしての経験を活かして、企業規模に応じた情報システムの導入支援、情報システムの効果的な活用方法や情報化人財の育成を中心にしたコンサルティング活動を展開中。
中小企業診断士、ITコーディネータ、上級ウェブ解析士


システム化ならプロマネがオススメ!!

© 2019 Mountain Gorilla Co., Ltd.