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【第18回】テレワークを導入すための業務分解の話です

 2020.10.7 お役立ち情報 ブログ

 

第14回では、テレワークをするのための機器や構成を書きました。もしよければ見てください。

( https://is.gd/zlaQsk )

 

この中でテレワークを進めるためには、業務分解をして進めるとスムーズですとお伝えしました。

 

この業務分解のやりかたや、業務分解した後にどんなツールやサービスがあるか、という問い合わせを多く受けました。今回はこの部分をもう少し詳細にお伝えします。

 

テレワークを進めるためには、自社の業務を分解します。これは、大きく三つに分けて考えることができます。

 

もちろん様々な切り口がありますが、まずは大きく三つに考えます。

フロント業務、ミドルオフィス業務、バックオフィス業務の三つです。

 

この三つの分け方は中小機構の「IT経営簡易診断」という支援策で利用されている分け方です。

( 中小機構の「IT経営簡易診断」:https://www.smrj.go.jp/sme/enhancement/diagnosis/index.html )

 

フロント業務とは、主に顧客対応や販売支援など売上を生み出す業務をいいます。

ミドルオフィス業務は、主に開発や設計、生産など製造業でいうところの製品を生み出す業務と定義しています。

バックオフィス業務は、総務や会計、人事や労務、在庫管理や物流などといった間接業務のことを言います。また、情報共有などの汎用業務のことも含んでいます。

 

まずはこの三つのうち、どこが自社にとってテレワークを進めやすいかと考えてみてください。

 

まずはバックオフィス業務から

 

多くの製造業では、会計や総務といったバックオフィス業務から、テレワークを進めようと考えます。 

まず取り掛かりやすいのが会計業務です。

 

出金伝票に基づいたの会計システムへの入力や、領収書をもとにした経費の入力です。また、これらに基づいたお金の支払い業務です。

お金の支払については、ネットバンキングを活用しましょう。都市銀行の場合は、管理費用や支払手数料などが少し高くなります。

しかし、楽天銀行などのインターネットバンクを開設し、ここから支払処理をすると銀行の手数料が抑えられます。ただし、口座が増えるので注意です。

ネットバンキングであれば、テレワークでできるので問題ないでしょう。

 

会計ソフトがクラウドでなく社内のパソコンでしか動作しないようでしたら、自宅からテレワークのソフトウェアを使ってリモートデスクトップで接続し操作しましょう。

(方法は、14回目を参照してください: https://is.gd/zlaQsk )

 

これで、出金伝票を入力することができます。

 

しかし、自宅などテレワーク環境で入力するときに困るのが出金伝票という紙の存在です。

 

この紙の存在をなくすため、すぐにできることは紙をスキャンしてPDFに変換し、テレワーク環境から参照できるような状態にします。これは、文書管理の初期段階として有効です。そしてPDFを画面で参照し入力伝票代わりにします。

 

このように考えると紙の出金伝票をエクセル等の電子ファイルに置き換えて、入力原票にすることがテレワークの取り掛かりとして重要だと認識していただけるでしょう。

 

このとき問題になるのが、この伝票の承認をどのようにするかということ、その承認を確認する作業です。

承認されたという確認は、はんこです。はんこを押すことで承認され、その承認の履歴が残るということは、当たり前のように行われています。

この「あたりまえ」を崩すことがテレワークの推進には重要なポイントです。

 

「はんこを押す」ということで承認履歴を残す、ということにこだわるのであれば、紙で出力された出金伝票に承認のハンコを押し、その直後にPDFファイルにするということです。

(こう考えると、はんこそのものが無駄に見えてくると思います)

 

また、ある企業ではこの出金伝票を見ながら出金状況を把握し、支払っている金額をチェックして、あまり多いようならば、値引き交渉をするというプロセスがありました。

このため出金業務をクラウド化することはできないという話でした。

 

しかし、この伝票のチェックをする行為と、伝票入力する作業とは切り離すことができるはずです

金額のチェックは一覧表などで行い、確認後、伝票入力するということで良いのではないでしょうか。 

 

承認処理はワークフローのクラウド化

 

次に考えるべきことは、はんこの承認プロセスを電子的な方法で行うことです。このような申請の承認を電子化した仕組みは、ワークフローと呼ばれます。

 

例えば、クラウドソフトで有名なマネーフォワードの場合は、「マネーフォワードクラウドワークフロー」という名称で、経費精算や支払い依頼などができます。 

上長や社長がどこにいても承認を受けることができるので、承認までの待ち時間を短縮することができます。

 

経費処理を例にとってみます。

経費の場合は、申請者から経費申請が上がります。これを申請者から課長や部長、その後経理部にまわしていくことを、「承認ルート」と呼びます。申請者の次に、誰が承認するか、またどの順で承認するかということを定義していきます。

 

そして、はんこの代わりになるが「承認」というボタンを押す行為です。また、社長や部長など個人を特定するためには、ログインIDを使います。なりすましを防ぐためには、パスワードをそれぞれのログインユーザーが管理します。

 

「承認」は、金額によって「承認ルート」や「承認者」がわかることがあります。

例えば「10万円以上の場合は部長の決済が必要である」ルールなどです。このような条件は、「承認条件」というルール設定を作ることができます。

すこし、ルールづくりが面倒かもしれませんが、社内の決裁権限とルールが明確になるのでワークフローの活用をおすすめします。

 

このようなワークフローの機能は、クラウド会計ソフトの標準機能でそなわっていたり、オプションでつけられています。マネーフォワードの他にはFreeeというクラウド会計ソフトでも同様のことができます。

 

他には、サイボウズなどのグループウェアでも、グループウェアの一つの機能として稟議申請などを行うワークフローの機能もあります。もちろん、ワークフロー専用のクラウドサービスもあります。

 

請求業務もクラウドで行う

 

入金支払いの業務は、自社で判断できる業務です。

次に変えるべきは請求業務です。

 

請求業務は請求金額をもとに請求書を発行します。請求金額の集計は売上の金額をエクセル等で行なったり、販売管理ソフトで管理しているでしょう。

 

この請求金額をもとに、請求書を印刷し、押印して封筒に入れ、宛先をラベルシールで打ち出し貼り付け、切手を貼り、送付しているのではないでしょうか。

 

この印刷して押印して、という一連の業務をクラウド上で行なってくれるサービスがあります。

弥生会計などで知られている「Yayoi」では、「Misoca」というサービスを提供しています。このサービスは、上記の業務をクラウドで行っています。また「invoy」というサービスもあります。

 

料金を見ると、月額数千円+発送料が一通あたり百数十円です。毎月100通ほど請求書を発行するのであれば、おおよそ2万円から3万円です。

請求書作成と発送が半日ほどの作業ならば、パートや事務職の人件費の方が安いという意見があります。

しかしテレワークを推進し自宅からでも請求書を発行できるようにするのであれば、クラウドサービスを使うのは有効です。

またクラウドサービスを使うことで、パートや事務職員の時間を短縮できます。空いた時間を営業支援などやデータ抽出に向けられるのではないでしょうか。

 

新型コロナ以前のときは、人材不足という言葉が多く聞かれました。今後も人材不足は否めないので、請求書のクラウドサービスは有効です。

 

さらに、請求書を発行するクラウドサービスの会社の多くは、見積書、納品書、請求書、領収書を作成できます。これらをメールで送ることができます。

 

積極的なコミュニケーションのとり方を考えておく

 

このようにテレワークで業務ができるようになったとしても、いくつかできない理由を挙げられることがあります。

 

最も多いのは、「請求書を発行するときや支払処理を行うときに、社内の営業や社員に確認する作業があるから」です。

 

つまり、支払い処理の担当者や請求書発行の担当者が、長年その業務をやっているため、経験からくる勘が働きます。例えば、「この仕入先にはこの金額を支払うはずがない」や「この得意先にこの金額が多すぎる」などです。

このようなことに気づいた場合は、営業担当や経理担当、中小企業であれば社長などに確認し、処理を進めます。いわばチェック機能を果たしているのです。

 

「このチェックが必要だから」テレワークができないと考えるのではなく、この時にどのようにしてコミュニケーションをとるかということを考えてほしいです。

 

コミュニケーションをとるには、携帯電話で連絡をする他、LINEやTeamsなどのコミュニケーションツールを使う方法があります。

 

自宅から営業担当者や会社に連絡をするということで、電話代の負担がかかるようであれば、テレワーク担当者には会社から携帯電話や電話代を支給しましょう。

コストを抑えるのであれば、LINEやTeamsなどの無料のコミュニケーションツールを使った電話やテレビ電話が良いでしょう。

 

普段から事務連絡もLINEやTeamsなどを使ったコミュニケーションをしておけば、テレワークの時に慌てる事がありません。

もちろんこの場合も社内に無線LANなどを配置しておくことが大事です。

 

また、パート社員や従業員が自分の端末を使うのを嫌がるようであれば、会社から中古のスマホ端末を支給すれば良いでしょう。こちらも中古であれば、3万円程度で購入できます。

 

コミュニケーションのことで一つ付け加えておくと、業務が完了したかどうかということをお互いに知らせる情報共有の方法を考えておいてください。

 

例えば、「請求書を全て発送した」ということを営業担当者や社長に知らせる、仕入先に入金が完了したということを経理担当者や社長に知らせる等です。

 

事務所で作業をしている場合は、なんとなく「請求書の発行が終わったな」や「仕入先の入金が完了したな」ということが従業員やパート社員の動きでわかります。

テレワークの場合、この「なんとなくの動き」が分からないのでどのようになっているか、ということが分からないのでお互い不安になります。

 

いわゆる、「報連相」を意識して、少し多めに行う習慣をつけて、お互いの状況が良く見えるようにしましょう。

 

■執筆者

山口 透 (やまぐち とおる) http://mt-brain.jp

株式会社 エムティブレイン 代表取締役。「経営とIT」のコンサルタント。業務改革や改善の指導やIT戦略企画立案の支援を行うコンサルタント。現在、IoTやAIを中心に経営とITの橋渡しをする社外CIOサービスを提供中。中小企業診断士、システムアナリスト、ITコーディネータ

 

 

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