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【第16回】今回は顧客管理のうち営業進捗管理の話です

 2020.7.31 お役立ち情報 ブログ

今回は顧客管理の話です。

 

顧客管理の中でも、お客様との関係性を記録することを中心に書いていきます。

 

私が関わっている多くの企業は、一品一様型の個別生産や多品種小ロットの受注生産型の製造業です。

 

このような形態の企業では、営業担当者が受注を取る場合は、お客様からの見積もり依頼から商談が始まります。見積もり依頼は、その製品の詳細な設計や図面や仕様などの情報をはじめから受取る場合があります。このときは、頂いた情報に基づいた見積もりが可能です。

 

しかし、そのような情報がなく、「以前と同じものを作って下さい」という場合も多いのです。この場合、いつ頃受注したのか、どのような形態の製品なのという情報があれば、見積もりを進めていくのは早いのです。しかし過去の見積もりがどのような金額であったのか、どのような形態だったのか、またその製品を作るのに実際苦労した点はどこで、実際金額としていくらかかったのかという情報を探すのに苦労してしまいます。

 

このような場合は、過去の見積もり情報をデータベース化するのがセオリーです。製品そのものや加工の仕方、素材や材質や材料の長さや加工内容を見積り金額と一緒にデータベースとして保存します。このようなことを進めている企業は多いでしょう。データベースに保存している場合は、過去のデータからいくつかの切り口で検索ができます。キーワードや切り口がはっきりしている場合はすぐに探すことができます。これからはAIを使って検索を進める可能性があるので、過去のデータを蓄積していくのは大変得策です。このあたりの進め方は別途ご説明したいと思います。

 

見積もり提示後の進捗管理

 

仮に、この見積もりを提出した後、すぐに受注の返事が来る場合は良いのですが、長期間放置される場合があります。「見積書は提出したのだけれど、どうなっているかわからない」状態です。

 

営業担当者が一人の場合は良いのですが、営業担当者とそれを管理者の2名以上いる場合が問題です。

「あの案件どうなっている?」ということが管理者にとって気になる事項です。

「あの案件は見積書を提出しています」と答える営業担当者に対して、「何日前?」という追加の質問が来るのは必須です。

「3日前です」と答えられるなら良いのですが、

「えーっと、1ヶ月は経っていないと思いますが。。。」ということになってはいけません。

 

顧客管理のうち、営業プロセスを管理するというのは、この「見積もりなどを出した状態がどうなっているか」などの営業の進捗を管理することなのです。

 

(もちろん、営業プロセスのうちマーケティングプロセスの管理も必要です。マーケティングは、主に自社のことを知らない人に認知してもらえるようにするからこと始まります。今回は、この認知後のプロセスに注目して書いています。)

 

以下によくある流れを記します。

 

  1. 商談会や展示会等で、自社のチラシや製品を紹介し、見込み客としてとなりそうな方と名刺交換をする
  2. 名刺交換したあと、電話やメールや FAX 等でコンタクトを取る
  3. コンタクトをとり、電話やメールや FAX 等で商品やサービスの内容を説明しする
  4. この商品やサービスに興味があるかを確認する
  5. 興味があるようであれば訪問等を行い、お客様の困りごとやニーズなどの詳細を聞く
  6. お困りごとに対する解決策と見積金額を提示する
  7. 見積金額や解決策の内容を適宜変更し最終的にお客様に提示する
  8. 受注する

 

このような流れで、全体の期間が1ヶ月程度の短い企業であれば、管理は不要かもしれません。

しかし、名刺交換をしてから受注まで半年や1年ほどかかるような企業は、営業の進捗管理が必要です。

製造業でいえば、生産管理のうちどの製品がどこまで作られているかを管理する工程管理や進捗管理と同様です。

進捗管理は、原材料を入荷し、加工し、研磨し、組み立てし、出荷するなどという流れがあります。

ものづくりであれば、どこまで進んだかということを製造指示書にチェックをしたりバーコードなどで生産の進捗管理している企業もあります。

 

営業も同様に見込み客を見つけ、アポイントを取りお客様に訪問し見積もりを提示し最終的に受注するという管理を行うのです。

 

ボールのやり取り

 

営業の進捗管理は、どこまで進んだかということだけではありません。お客様という相手があることなので、進むだけでなく停滞もします。「ボールを投げる」という方をしますが、何かをお客様に提示して、そのままになるという状態が続くことがあります。「お客様にボールを投げたまま」という状態です。

 

これは、一人の営業担当に対して、複数のお客様があるためです。営業は複数のお客様に対応するため、ボールを投げたままになってるお客さんに対して、「気にはなっているが、結果的に何もアクションをおこしていない」状態に陥ることがあります。

特に、「〇〇のお客様への対応が忙しい」と言う発言をしてしまい、特定のお客様の対応ばかりしてしまう場合があります。これを避けるために営業のリーダーや管理者が、営業の進捗状況を管理し確認しフォローする必要があります。

 

ではどのような情報を管理すれば良いでしょうか。

これは、

「どのお客様に対して」「いつ」「誰と面談をし」「どのような話をしたか」

ということを蓄積して管理します。

 

製造業の生産工程で言えば、「何の製品を、いつまでに、完了させたか」という情報と同様です。

 

お客様に対して、最終的にどのようなアクションをしたのかということを、営業担当者と営業の管理者が共有します。

 

「ボールを持つ」という言葉で説明すると、営業担当者がボールを持っているならば、お客様に素早く投げなければいけません。自社の製品説明をお客様にするならば、営業担当者だけでなく管理者や技術者を連れてお客様のところに訪問するのです。

 

一方、お客様の方でボールを持っているのであれば、お客様のところでどのような状況になっているかということを引き出します。

例えば、

  • お客様のところに他の競合が来ている
  • お客様の中で上司に相談したところ金額面が厳しい
  • 仕様面で他にやりたいことが出てきている

など、お客様の状態の変化を早くつかむ必要があります。

これらへの対策を考えると

「お客様のところに他の競合が来ている」場合、

競合の情報を掴むことが先決です。競合企業の名称や製品はもちろん、見積り金額を知って対抗します。

この時、自社製品が競合に対して差別化できているのであれば問題ありません。しかし同じような品質や同じような提案をしている場合、コスト面だけで比較される場合があります。

 

この場合は、今後の利益にも影響するためコストで勝負するのは避けたいところです。できるだけ自社製品の有利さをアピールして差異化できるように提案を進めます。

 

「お客様の中で上司に相談したところ金額面が厳しい」という場合も上記同様です。

 

どうしてもお客様の予算に合わず、コストを下げて対応しなければならない場合、下げる時の条件を付けるなどの対応が求められます。このときあらかじめ担当者に、早い段階で変更できる条件を引き出すことで利益の低下を防ぐことができます。

 

「仕様面で他にやりたいことが出てきている」

仕様の検討が途中の状態になっているのであれば、さらなる提案をした方が良いでしょう。自社で解決できる提案だけでなく、協業企業との連携で、より良い提案を持っていくことも考えられます。

 

さらに、製造業は自社の状況も加味して検討する必要があるため、お客様が望む金額や仕様にするのかという判断を早くした方が良いでしょう。その時点で当社の受注が少なく、そのお客様の製品を生産しても工場の生産性が変わらないのであれば受注するべきです。他に大量に作って欲しいという要望や早く作ってほしいという要望があれば、早めに製造担当者と話をする必要があります。

 

このような状況を考えると、自社の動きをスムーズに進めるために、お客様がボールを持っているときは早めにボールを返してもらう、もしくはその状態がどのようになってるかということを早く掴みにいくことが必要です。

 

このことから、ボールをお客様に預けた期間が短いのが長いのか、例えば、一週間なのか一か月なのかということを、営業担当者やマネージャーは把握することが求められます。

アフターフォローも同様に管理する

 

さて無事に受注が取れ納品した後、アフターフォローはどのように行っていますか。

 

企業によっては、アフターフォローは営業ではなく、保守担当者やフォロー担当者が行うかもしれません。

 

その場合でも最低限管理する項目は、同じものが必要です。「いつ、そのお客様のところへ、どのような用件でお伺いし、どのように対応したか」です。

 

これらは作業日報ということで蓄積されている会社が多いと思います。しかしその対応した情報をどのように活かしているかということです。

 

お客様は、製品が修理されたり、点検されたりすることで顧客満足は上がるかもしれません。ただ、フォローしている時に、「もっとこうなればいい」という要望やクレームのようなものが来ます。クレームであれば問題があったということですぐに対応するでしょう。しかし思いつきのような要望や突拍子もない要望であれば、世間話で終わってしまう場合があります。また答えに窮するような要望なのであればフォロー担当者や保守担当者では回答できない場合があります。

 

そのような内容をフォロー担当者が営業や製造部門に伝え、お客様が望むことを提案できるかをさらに確認する必要があります。 

生かすべきことは、お客様の対応時に追加の要望があったかどうかということを含めということです。

 

■執筆者

山口 透 (やまぐち とおる) http://mt-brain.jp

株式会社 エムティブレイン 代表取締役。「経営とIT」のコンサルタント。業務改革や改善の指導やIT戦略企画立案の支援を行うコンサルタント。現在、IoTやAIを中心に経営とITの橋渡しをする社外CIOサービスを提供中。中小企業診断士、システムアナリスト、ITコーディネータ

 

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